「善光寺」といえば、「牛に引かれて・・・」で有名なお寺ですが、この善光寺のご本尊が戦国の一時期、甲斐に移されていたことはご存知でしょうか?
そして、「善光寺駅」が長野でなく甲府にあることも。
甲斐善光寺は、川中島の合戦で戦火の及んだ信濃善光寺の焼失を恐れた武田信玄が、永禄元年(1558)信濃善光寺本尊の阿弥陀如来像や寺宝を甲斐国甲府へ移転させ、別当栗田氏らも甲府へ転居し開山されたのが始まりと言われています。
武田信玄が建立した伽藍等は江戸期の出火によって焼失しますが、その後まもなく再建された山門・金堂が当時の様式を残しており、重要文化財に指定されています。
城東通りからまっすぐ伸びる参道、間近に迫った山を借景とするかのような荘厳な佇まいは、建立当時を彷彿とさせるものがあります。
大河ドラマ「真田丸」では、第2回で、武田家滅亡の直前に主君勝頼を裏切った国衆・小山田信茂が織田信忠に詰問され、処刑される場所として出ていますが、実際、歴史書にも小山田信茂をはじめ武田遺臣を織田信長などが多数処刑した場所として記載されています。
ただ、甲斐善光寺自体はその後徳川の世になっても、再興された信濃善光寺に本尊が変換された以外はむしろ庇護されており、徳川家光の寄贈品なども宝物館には残されています。
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